ジドレは、リトアニア出身のヴァイオリニスト。革新的な演奏コンセプトと想像力豊かなプログラミングを特徴とし、クラシック音楽と現代音楽の対話、異文化間の視点、そして音楽と美術・身体表現・文学・映像などの融合を探究している。現在は日本を拠点に、日本の現代作曲家や伝統美学の研究を進めながら、リトアニアと日本を結ぶ芸術活動を展開している。
第7回あおによし音楽コンクール奈良プロステージ(2019)グランプリ、第20回大阪国際音楽コンクール(2019)第2位、第29回日本クラシック音楽コンクール(2019)第4位など、日本国内外で多数の受賞歴を持つ。これらの成果により、2015年にダリア・グリバウスカイテ大統領、2020年にギタナス・ナウセーダ大統領より公式な称賛を受けた。
ソリストとして、リトアニアのクライペダ室内管弦楽団、ヴィリニュス聖クリストファー室内管弦楽団、日本では豊橋交響楽団などと共演。2021年にはスイス・ダヴォス音楽祭にてDavos Camerataの共同コンサートマスターを務めた。室内楽奏者としても活動を展開し、Harmos音楽祭への出演のほか、2022年から2024年にかけて名古屋・宗次ホールにて定期的に演奏を行っている。金沢市民芸術村(2021–2022)およびカナダ・バンフ芸術創造センター(2025)のアーティスト・イン・レジデンスに招聘された。
現代音楽への取り組みとして、リトアニアと日本の文化を結ぶ新作委嘱・初演を積極的に行っている。2022年の金沢市民芸術村での滞在制作では、作曲家・平野一郎による《双子の鳥(Twin-soul Birds)― 2つのヴァイオリンのための儀式と遊戯》を委嘱・初演。また、15年ぶりとなる《空野》の再演にも取り組んだ。さらに、S.ミリューナイテ作曲《Green Journey》では、リトアニアと日本で録音された自然音を作品に取り入れている。
また、狂言師・三宅藤九郎とのコラボレーション、池坊の華道家・杉本青門氏との《音楽から生まれたいけばな》(2020)、画家・松井守夫氏の神田明神での展覧会(2021)における演奏など、多分野の芸術家との協働にも積極的に取り組む。音楽、美術、日本の伝統美学、身体表現を横断する没入型の舞台表現を特徴とし、着物リメイクによる舞台衣装のデザインも自ら手がけている。
近年では、在日リトアニア大使館の依頼により、M.K.チュルリョーニス生誕150周年記念コンサート(2025)を企画・制作・出演。絵画と音楽を融合したマルチメディア公演として注目を集めた。2022年以降はウクライナ支援チャリティーコンサートを多数企画・出演し、これまでに総額1,000万円以上の寄付を集めるなど、社会的活動にも力を注いでいる。
音楽家の家庭に生まれ、幼少よりヴァイオリンを始める。2011年に国立M.K.チュルリョーニス芸術学校を卒業。2015年にリトアニア音楽演劇アカデミー(LMTA)にて学士号、2017年に同大学院ソロ・ヴァイオリン専攻にて修士号を取得。