ジドレは、リトアニア出身のヴァイオリニストである。クラシック音楽を軸に、現代音楽への深い関心を持ち、革新的なプログラミングと演奏表現を追求し、国際的に演奏活動を展開している。

第7回あおによし音楽コンクール奈良(2019)グランプリ(第1位)、第20回大阪国際音楽コンクール(2019)第2位、第29回日本クラシック音楽コンクール(2019)第4位など、日本で数々の受賞歴を持つ。リトアニアでは、室内楽コンクール(2013)第1位、S.ヴァイニュナス国際室内楽コンクール(2014)入賞を果たし、これらの成果により2015年にダリア・グリバウスカイテ大統領、2020年にギタナス・ナウセーダ大統領より公式な称賛を受けた。

ソリストとして、リトアニアのクライペダ室内管弦楽団、ヴィリニュス聖クリストファー室内管弦楽団、日本では豊橋交響楽団(2023)などと共演している。2021年にはスイス・ダヴォス音楽祭にてDavos Camerataの共同コンサートマスターを務めた。室内楽奏者としても活発に活動し、2014年にはHarmos音楽祭に出演。2022年から2024年にかけて名古屋の宗次ホールで定期的に演奏を行っている。金沢市民芸術村(2021–2022)およびカナダ・バンフ芸術創造センター(2025)のアーティスト・イン・レジデンスに招聘されている。

現代音楽への取り組みとして、リトアニアと日本の文化を結ぶ新作の委嘱も行っている。2022年の金沢でのアーティスト・イン・レジデンス期間中には、作曲家・平野一郎に2つのヴァイオリンのための「双子の鳥」を委嘱。また、S.ミリューナイテによる「Green Journey」では、リトアニアと日本で録音された自然音が作品に組み込まれている。

2022年にピアニスト・松永みなみ、メゾソプラノ歌手・秋本悠希と共にTrio Akiniai(トリオ・アキニアイ)を結成し、クラシック音楽の新たな可能性を探る活動を展開している。

日本在住の現在は、日本の現代作曲家や伝統美学の研究を進めながら、リトアニアと日本の文化を結ぶ演奏活動に取り組んでいる。2025年10月には、在日リトアニア大使館の依頼により、M.K.チュルリョーニス生誕150周年記念コンサートを企画・出演した。また、狂言師・三宅藤九郎とのコラボレーション、池坊の華道家・杉本青門氏との「音楽から生まれたいけばな」(2020)、画家・松井守男氏の神田明神での展覧会(2021)でのパフォーマンスなど、他分野のアーティストとの学際的プロジェクトにも参加している。ステージ衣装として着物リメイクドレスを取り入れるなど、日本の美意識と自身の音楽表現を融合する独自のスタイルも追求している。

2022年以降はウクライナ支援のためのチャリティーコンサートを多数企画・出演し、これまでに総額1,000万円以上の寄付を集めるなど、社会的貢献活動にも力を注いでいる。

音楽家の家庭に生まれ幼少よりヴァイオリンを始める。2011年に国立M.K.チュルリョーニス芸術学校を卒業、2015年にリトアニア音楽演劇アカデミー(LMTA)にて学士号、2017年に同大学院にてソロ・ヴァイオリン専攻の修士号を取得。